映画『追想ジャーニー』あらすじと感想

映画・ドラマの原作本

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藤原大助主演の邦画『追想ジャーニー』、監督 谷健二

キャッチフレーズは「演じきれ、俺の人生」。

出演は高橋和也、佐津川愛美、真凛、髙石あかり、岡本莉音、伊礼姫奈、外山誠二、赤間麻里子。

もしも、人生をやり直すことができたら―。

古今東西、多くの人が考えてきたそんな「妄想」にまたひとつの物語が加わった。

ただし、かなりぎこちないやり方で。

この記事では映画『追想ジャーニー』のあらすじと正直な感想を書いてみたいと思います。

映画『追想ジャーニー』のあらすじ

 売れない中年俳優 文也が、ある日、公園で出会った一人の少年にメモを手渡されます。

ストレス緩和のための退行催眠。

男は興味本位で訪れた場所で、過去の自分と向き合うことに。

48歳と18歳、ふたりの「文也」が人生の分岐点をめぐる旅に出ますが、最後にたどり着いたのは…。

よくあるSF的設定(最近の例は佐藤秀峰『Stand by me 描クえもん』)と『走馬灯株式会社』をミックスしたようなストーリー。

舞台と映画を行ったり来たりする演出。

映画と言うより舞台のDVDを見ている気分になりますね。

映画『追想ジャーニー』の感想

練り不足の実験的な映画を観た感が否めません。

ラストまで鑑賞できたのは出演者がよかったこと。

主演の藤原大祐が初々しく、脇を固める女優たちは美しく、手堅い演技を披露していました。

私は美男美女ばかりの作品があまり好きではありませんが、時と場合によっては画面に「華」と「光」を添えますね。

文也の人生の「正念場」は、全て女性絡み。

  • 高校時代、幼馴染のくるみとクラスメイトのゆりえ どちらと付き合うか
  • 20代 妊娠した彼女 美奈子とどう向き合うか
  • 30代 再会したくるみと同棲したとき
  • 40代 離れて暮らしていた娘が会いに来たとき

どれも相手のあることで、自分の決断だけで動かせるものではありません。

人生のターニングポイントというと、進学や就職、資格取得など7割くらいは自分の意思と努力で動かせるものを指すと思うのですが。

文也の流されやすい性格が垣間見られるエピソードです。

妊娠した彼女と向き合う点に至っては、おなかの大きさから考えてもう手術は不可能。

もっと早い段階で悩め、と思いますね。

そして、過去の作品と大きく違うのは未来から来た文也が、過去の自分に正確なアドバイスをしないところ。

「正念場だ」と伝えても、自分なんだから過去と同じ失敗をするのはわかりきったこと。

選択した後で「あの時別の方を選んでいれば」と言っても仕方ありません。

役立たず、そんな言葉がぴったりです。

結局、根底にあるのは「高校時代、男性と駆け落ちした母親」との関係。

妻が家を出てから酒浸りになった父親を嫌悪しつつも、母親を許せる「自分」と母親に共感する「自分」の葛藤には真剣に対峙できない心の弱さ。

このあたりが映画のピークになっています。

単なる「マザコン映画」になるかと思いきや、

ラストの母親との対面で「救われた」印象の映画です。

母親役を演じたのは赤間麻里子。

さすが無名塾出身。最後に出てきてすべてをさらって行く存在感がありました。

ま と め

この映画で再発見したのはぎこちない演出、練り不足のエピソード、急ごしらえに見える映画でも俳優がよければラストまで鑑賞できる、ということ。

改めて、役者の力は大きいと感じました。

特に赤間麻里子さん。

すごい。

『ヘルドッグス』でリーゼントとサングラス姿、異色の姉御を演じた方です。

キワモノから母親役までこなせる振り幅の大きさはさすがに舞台経験者だな、と感銘を受けましたね。

映画に関しては主演の藤原大祐のコメント「自分もこうならないように頑張ろうと思えました!」に集約されると思います。

藤原大祐くんはかなりのイケメンですし、頑張っていただきたいですね。

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