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アメリカのコージーミステリーお菓子探偵ハンナシリーズ第21弾。
ジョアン・フルーク著『ラズベリー・デニッシュはざわめく』を読み終わりました。
あらすじと感想を書きたいと思います。
この小説はミネソタ州の架空の町レイク・エデンを舞台にしたシリーズものです。
2000年から続いていて現在21冊が翻訳されています。
『ラズベリー・デニッシュはざわめく』のあらすじ
『バナナクリームパイが覚えていた』が衝撃のラストだったため、発売を待っていたファンが多いのではないでしょうか?
シリーズ中、最も続きが気になるラストだったですね。
『ラズベリーデニッシュはざわめく』は前作の2週間後から話が始まります。
結婚式、ハネムーンとあわただしかったハンナ。
その直後、何も言わずに去っていった夫 ロス。
事件か事故か、はたまた単なる家出か?
運よく感謝祭の時期であったため、ハンナは仕事に没頭することが出来ます。
ですが、ひとりになると自分を責めます。
昔のコンプレックスが頭をもたげてきて、母や美しい妹たちを羨むことも。
ハンナはすてきなBFが2人できた今、思春期の劣等感は鳴りを潜めていました。
悶々とし悪夢にうなされる日々。
ロスが自分の意志で出て行ったと思われる証拠がいくつも出てきます。
そんな中、いなくなったロスの自動車に乗った知り合い男性PKが事故に。
ロス宛てに届いていたチョコレートバーを食べて前後不覚に陥ったためです。
これはロスを狙ったもの?
ハンナは母親ドロレス、妹アンドレアとミシェルと共に捜査に乗り出します―。
ハンナの愛猫モシェの元気がないのも気になるところ。
ロスはどこへ行ったのか?が今回のメインテーマです。
(えっ、事故死したPKの立場は?と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、このシリーズはほぼ、謎解きがメインではありませんので…)
『ラズベリーデニッシュはざわめく』の感想
前作も面白かったですし、今回はシリーズ中もっとも緊張感のある作品だったと思います。
なんといってもヒロインの夫が失踪、ですから。
最近、このシリーズは面白さが復活してきていますね。
20作以上続いているので中だるみの時期があったのですが。
お菓子や料理のレシピも美味しそうなものが多くて読んでいるだけで楽しかったです。
このシリーズは海外コージーミステリーの中でもかなり軽い方。
そのところを作者は意識していて、バランスをとっているのがよくわかりました。
どんな危機的な状況でもシリアスになりすぎないように工夫されています。
以下、少々ネタバレをしますので読んでいらっしゃらない方は飛ばしてください。
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夫が失踪。
これで知らなった借金が、とか隠し子が、とか職場でパワハラが、とかならないところがお菓子探偵ハンナの世界。
ロスの置き土産が自動車・多額の預金・現金・貸金庫の鍵って…。
平和ですね〜。
相変わらず、仲の良い姉妹や友人たちに囲まれているハンナ。
仕事が終わると料理を準備してマイクやノーマンと共に情報交換。
まるで独身時代に戻ったよう。
往年のファンにはうれしいのでは?
基本的にぱっと出てきたキャラ以外はみんないい人。
ちょっと非日常・非現実的な世界に逃亡したいときにはよいシリーズだと思います。
ラストに、保安官マイクがロスの居所を突き止めるのですが、なんと彼は妻帯者。
これ、驚く読者は少ないのでは?
アメリカの小説、映画、ドラマでよくあるパターンですしね。
戸籍がないってこういうことなんですよね。
欧米では身元確認に教会や高校・大学の資料に頼る部分が多いそうですね。
次回作は来年のお正月でしょうか?
このシリーズはまだまだ続きそうですね。
お付き合いいただき、ありがとうございました。
参考にしていただけるとうれしいです。
『ラズベリー・デニッシュはざわめく』の続きはこちら。
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