【このブログではアフィリエイト広告を利用しています】
お彼岸やお盆のお墓参りで、法要に招かれて―。
日本人にはお寺様に行く機会は意外と多いものです。
僧侶や、そのご家族に対して感謝を込めて、謝礼のほかにお菓子を持って行く方がいらっしゃると思います。
お寺様にうかがうときに、菓子折りにはどんなのし紙(かけ紙)をつけたらいいのでしょうか?
そもそものし紙(かけ紙)は必要なのでしょうか?
そんな疑問に元ギフト販売員がお答えします。
この記事の結論
●お寺様へ持参する菓子折りのかけ紙(のし紙)は用途によって変わります。
▼目次から好きなところにジャンプできます。▼
お寺様に持って行く菓子折り 用途によってのし紙は変わります
【用途によるのし紙と表書きの種類】
用途 | のしの種類 | 表書き | ||
法要に招かれて供物を供える場合 | 黒白・黄白5本結び切り | 御供・御霊前・御仏前 | ||
読経をお願いした僧侶へのお礼 | 黒白・黄白5本結び切り又は無地 | 志・御礼 | ||
法要をお願いに行く場合 | 無地 | 御伺・御挨拶・御供 | ||
仏壇を購入し、開眼供養をした時のお礼 | 紅白蝶結び・のしなし | 開眼式御礼・御礼 | ||
お墓参り、お彼岸のご挨拶 | 紅白蝶結び・のしつき | 御伺・御挨拶・御供 |
【かけ紙の種類】
ひとくちに「お寺様に持参する菓子折りののし紙(かけ紙)」と言ってもこの5種類があります。
お店でお菓子にのし紙(かけ紙)を付けてもらう場合には、しっかりと用途を伝えましょう。
お店で販売員に「お寺様に持って行く」とだけ伝えると、「法要に行く」と思われる可能性が高いです。
「のし紙受注票」を置いているお店が多いですが口頭でしっかりと伝えましょう。
店頭での流れ
①販売員に口頭で説明する
②のし紙受注票に用途・表書き・お名前を記入
③できあがったのし紙を確認する
この3段階の手順を踏むが一番、失敗がないです。
最後の「確認」は時間をかけてしっかりと行ってください。
確認したにもかかわらず、後々「違っていた」とおっしゃるお客様がいらっしゃいます。
特に、お名前が旧漢字・異体字など特別な場合には注意してくださいね。
店舗で使用している毛筆ソフトによっては対応できない場合があります。
印刷前に代替案(代わりに使う漢字)を出しておきましょう。
では、用途による違いをひとつずつ見ていきましょう。
法要に招かれて供物を持参する場合
こちらは注意が必要です。
四十九日前は「御霊前」
それ以降は「御仏前」になります。
これは仏教では四十九日までは魂がこの世と来世の中間をさまよっているという考え方のため。
中陰(ちゅういん)、中有(ちゅうう)ともいいます。
この期間が過ぎると「仏様(ほとけさま)」になるんですね。
ですが、最近では親族が遠方にいるために法要をまとめて行うご家庭があります。
詳しく分からない場合は「御供」にしておくといいですね。
マナーで失敗しない極意は、広い意味で使われる表書きを選ぶこと。
黒白・黄白の結び切りは地域性がありますのでお好きな方を選んで下さい。
東日本が黒白、西日本が黄白と言われています。
名古屋や新潟ではどちらも使われます。
四十九日や1年(切り替える時期は個人差があります)で黒白から黄白になります。
法要に招かれた時のお菓子は故人がお好きだったものを選ぶのが通例。
分からない場合には日持ちのするおせんべいやおかき、最中や干菓子などが当り障りがありません。
読経をお願いした僧侶へのお礼
またはこちらになります。
「志」というと香典返しに使う表書きのイメージが強いですね。
実は慶事で使われる場合もあるんですよね。
辞書にはどう書かれているでしょうか。
「志」を2つの辞書で調べて必要な個所を抜粋してみました。
●気持ちを表してものを贈ること。また、その贈り物。
●死者への追善供養。また、そのしるしとして物を贈ること。また、その物。
『広辞苑』
●好意・謝意などの気持ちを表す贈り物。また、故人を悼んで供えるものや御布施の表書きにする語。
『大辞林』
つまり、もともとは好意や謝意を表す語だったものが、転じて現在の使われ方になったのですね。
現在でも、ご年配の方に「志」の表書きを慶事で頼まれることがあります。
僧侶へ法要をお願いに行く場合
「御伺」(おうかがい)は目上の方に使われる表書きです。
あらゆるお見舞いやごあいさつに使うことができる言葉。
覚えておくと便利です。
仏壇を購入し、開眼供養をした時のお礼
紅白蝶結び・のしなしはあまりみかけないかけ紙。
これは仏壇を購入し、開眼式をしたときや御中元やお歳暮に生臭もの(なまぐさもの;魚介類や鳥獣の肉類)を贈るときに使うものです。
「のし」とは本来、「のしあわび」といって干したあわびを模したもの。
昔は実際に贈り物に添えられていましたが、現在は印刷されています。
とはいえ、干しあわびをつけていたころの名残りで、肉や魚と重なってしまうという意味でつけないのが慣習です。
上の紅白蝶結びはあくまでも「開眼供養」のみの場合。
納骨式を同時に行う時には弔事になりますので、黒白 結び切りの掛け紙を使います。
双銀でもいいです。表書きは「御布施」「御礼」「志」などを使います。
お墓参り・お彼岸のご挨拶
お盆やお彼岸のお墓参り。
普段お世話になっているお寺様へのご挨拶には紅白蝶結びのしつきを使います。
表書きは「御伺」(おうかがい)、「御挨拶」(ごあいさつ)、または「御供」です。
お寺に持参する菓子折りといっても、法要の時以外は弔事用ののし紙を使いません。
季節のご挨拶に伺う時には通常の通り、慶事ののし紙を使います。
日本では「葬式仏教」という言葉があるように、弔事のイメージが強いですよね。
お坊さんも普段から弔事用を使われたらいやだろうな。
表書きに「御供」を選んだ方は、奉書紙か無地の短冊。
お渡しするときに「御本尊様(ごほんぞんさま)にお供えしてください。」と言い添えましょう。
菓子折りを持って行く対象がご住職・そのご家族か、ご本尊様かで表書きが変わります。
お寺様に持参する菓子折りの包装紙について
法要の時に招かれた場合の菓子折りは、紫色・紺色・クリーム色など落ち着いた色彩のものが無難です。
一方、お墓参りやお盆のご挨拶、法要をお願いに行くときには明るい色の包装紙で問題ありません。
ただし、商品名は気を付けた方がいいものがありますね。
和菓子には「福」という文字がついた商品が多いです。法事の時には気を付けましょう。
時々、弔事にあえて「福」のつく商品を選ぶ方がいらっしゃいます。
いわゆる「ポジティブシンキング」ですね。
これは法要に招かれた時には避けた方がいいですね。
考え方は人それぞれ。
相手のある場合には自分がどう考えるか、よりも相手の方がどう捉えるかが重要です。
お相手の立場に立って考えてみましょう。
こうしたマナーには地域性があります。
そのため、上の表にものし紙(かけ紙)・表書きが複数あげてあります。
ようはご自分がしっくりくるものを選ぶのが良いと思いますよ。
御布施と菓子折りを持参する場合の体裁は?
御布施だけではちょっとさびしい―。
感謝の気持ちをお伝えするために菓子折りを付けた場合はどのように差し上げたらいいでしょうか?
答えは菓子折りは御布施の金封の台として使う、です。
御布施の金封に名前が書いてあるので、菓子折りには特にのし紙(かけ紙)をつけなくていいです。
上の写真は風呂敷の上に菓子折り、御布施の封筒を置いたもの。
実際には御布施の封筒には名前を入れます。
念のため、百貨店のギフトサロンに問い合わせてみました。
どうしてもつけたい場合には無地のし(表書きや名前をいれないもの)だそう。
封筒に名前を書くので、のし紙に表書きや名入れをするとごちゃごちゃした印象になりますから。
お寺に持参するときには
それぞれを袱紗(ふくさ)や風呂敷に包んで、先方にお渡しする際に菓子折りの上に御布施の封筒を置きましょう。
自分の右側において、風呂敷をとき、先方に差し出すのが一般的です。
慶事・弔事どちらにも使えるリバーシブルのものを選ぶといいですね。
紫・緑、紫・青などが一般的です。
慶事・弔事どちらにも使いたい方は紫・緑、紺・桜などを選ぶと失敗しません。
最近では化学繊維でも上質の風呂敷がたくさんあります。
1,2枚持っておくと重宝しますよ。
ものの本にはお寺様へ持参する品物の例としてようかんや干菓子など日持ちのする和菓子を挙げていることが多いです。
しかしながら、長年お付き合いしている、好みの分かったお寺さんへのお菓子であれば洋菓子でも問題ないと思われます。
先方によろこばれるものが一番です。
特にタブーはありませんが、お寺は頂き物が多いのですぐに開封されるとは限りません。やはり日持ちがして温度変化の影響を受けないものがいいですね。
以上、ご紹介してきた通り、お寺様へ持参する菓子折りと言っても用途によってのし紙(かけ紙)が違います。
あなたの目的に合ったものをお店で付けてもらってくださいね。
お付き合いいただき、ありがとうございました。
参考にしていただけるとうれしいです。
【参考文献】
よろしかったらこちらもどうぞ。
▼8月半ばに新潟で使われる表書き「御盆礼」について調べてみました。
▼ミスをしてしまった時に!お詫びの品に付けるのし紙について解説しています。
お詫びの品物につけるのし紙は?ギフト販売員が簡単に解説します
▼お見舞いに使うのし紙について写真付きで分かりやすく解説しています。