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kindle本はAmazonが販売している電子書籍の総称。
日本で電子書籍を利用している人の25%以上が使っているのですから、「kindle本=電子書籍」と言っても過言ではありません。
kindle本は人気作品であれば、紙媒体の本と同時発売。
本屋に行く必要も、通信販売で商品が配達されるのを待つ時間もなし。
いつでもどこでもダウンロード。
品切れの心配がありません。
とても便利ですね。
ですが、漫画が読みにくいのが残念なところです。
スマホ専用に書かれた漫画とは勝手が違いますよね。
今回はそんなkindle漫画の読みにくさを深堀してみたいと思います。
kindleの漫画 読みにくさの原因は6つ
電子書籍の漫画が、読みにくいと感じる時にはたいてい次の6項目のどれかに当てはまります。
- 手書きの文字が多い。しかも、くせのある字。
- 描線が極端に細い。
- コマが小さい。
- 線に勢いがありすぎる。
- 文字が背景やスクリーントーンに埋没している。
- 見開きページを多用している。
では、具体的に見ていきましょう。
手書きの文字が多い。しかも、くせのある字
これは四コマ漫画に多いですね。
長谷川町子『サザエさん』に代表されるような新聞の四コマ漫画、いしいひさいちの作品など。
もともと、新聞紙(タテ545mm×ヨコ406mm)や雑誌で読まれることを前提としていたもの。
デジタル化されるとかなり読みにくいです。
試しにGoogleで「サザエさん 原作」を画像検索してみてください。
実感できると思います。
また、吹き出しのセリフは活字、独り言・擬音語などは手書き文字にする漫画家さんは一定数います。
あれも読みにくいですね。
下手したら雑誌掲載時ですら読みにくいです。
描線が極端に細い
少女漫画に多いのはこちらのタイプ。
とても繊細な線で描かれた輪郭や髪の毛。
抒情的できれいなのですが、デジタルになるとえんぴつで書かれたようにたよりなく見えてしまいます。
昔の山岸凉子作品、70〜80年代の少女漫画に多いですね。
また、オリエンタルな雰囲気を出すために細い線で描いている漫画家さんの作品はやっぱり紙で読む方がいいですね。
岡野玲子がその代表です。
『陰陽師』シリーズは大好きですが、デジタルとの相性は悪いのでは?と思っています。
やっぱり、岡野玲子作品は紙で読みたいですね。
同じ平安時代を扱っていても灰原薬『応天の門』は読みやすいので線の太さに左右されるところが大きいですね。
コマが小さい
1ページにコマがたくさんあって情報量が多いのは読みづらいです。
昔、今市子が萩尾望都の『ポーの一族』「グレンスミスの日記」についてこのように書いていました。
コマの数が多いとはいえ短編で、ある女性の一生を表現できるのがすごい、と。
現代の人気漫画家が「コマが多い」と思うのはどれくらいの数なんだろう?
疑問に思って数えてみました。
1ページに6から10くらいのコマ数。
これでも現代の感覚だと「多い」んですね。
雑誌で読んでいた時にはさほど気にならなかったのだと想像できます。
ですが、時がたち文庫版・電子書籍版が出てくるとコマの数が多い=コマが小さい。
実際にkindle専用端末で読んでいても、きゅうくつな印象を受けます。
白泉社で活躍していた川原泉、『ぶ〜け』で人気を博した松苗あけみはこのタイプです。
圧倒的に支持されているLINEマンガアプリの作品はコマ数が少ないです。1ページのコマ数が2から5の漫画があるくらい。
▼こちらはコマ数の少ないもの。
筆に勢いがありすぎる
少年漫画のバトルものに多いのがこれ。
筆にスピード感があって、迫力満点の画面は電子書籍だと「なにが描いてあるかわからない」となることが多いです。
デジタル画面との相性が悪いんですね。
『うしおととら』で有名な藤田和日郎、『鬼滅の刃』の吾峠呼世晴などですね。
背景やスクリーントーンに文字が埋没している
少女漫画・少年漫画を問わず、新人の作品に多いのがこのパターンです。
ベテラン漫画家の作品ではほとんど見かけませんが、初期作品を購入する際には注意したいところ。
管理人が一番、読みづらいと感じたのは村上かつらの初期短編集を購入した時。
大好きな漫画家ですが、「あれ、こんなところにも文字が…」と思ったものです。
風景、背景の中に活字が埋まっているんですね。
ちなみに、村上かつらの最新作はそんなシーンが全くなく、OKだったです。
今の若い漫画家さんには少ないですね。
見開きページの多用
電子書籍の漫画を読むとき、ほとんどの方が1ページずつ読んでいると思います。
「見開き推奨」と描かれていない限り、わざわざ端末を横にして読まないですよね。
すると…見開きを使ってバーンと迫力のある、印象的なシーンで描かれたものが切れ切れになってしまうんです。
浦沢直樹、井上雄彦が電子書籍化に難色を示していたのもこれが理由では?と個人的に思っています。
いったん雑誌で読んで手元に置くのは電子書籍―。
そういう読み方だといいのですが、最初から電子書籍で読むと感動が半減するリスクがあります。
電子書籍は便利ですが、悩むところです。
浦沢直樹の『MONSTER』、山本直樹の『レッド』など見開きで読んだ方がいい作品は多いです。
管理人は『レッド』をkindle電子書籍リーダーで読んでいて、1巻の〇〇シーンで「しまった!」と地団太を踏んだ経験があります。(涙)
kindle漫画 スーパーメジャーの作品は読みやすい!?
今回、記事を書くにあたって日本が世界に誇るメジャー漫画家の作品をダウンロードしてみました。
手塚治虫、石ノ森章太郎、萩尾望都、高橋留美子、鳥山明、あだち充、尾田栄一郎、青山剛昌などなど。
超有名漫画家の代表作を、Fire HD 10を使わずにあえてkindle専用端末で鑑賞。
すると、例外なく読みやすいんです。
特に驚いたのは高橋留美子。
30年ほど前の作品を読んでみたのですが、これが読みやすい。
すっきりした画面、輪郭線が鮮明で背景と区別がつきやすい。
手書きの情報がほとんどない。
(擬音語・擬態語レベル)
日本のスーパーメジャーの作品はキャラクターの魅力、ストーリーもさることながら
圧倒的な画面の見やすさが人気の一因なんだろうな、と痛感しましたね。
あだち充も然り。
鳥山明、尾田栄一郎の絵は細部の描き込みに力を入れているので、本来は大画面で楽しむのが〇。
ですが、巻を追うごとに電子書籍で鑑賞しやすくなっていてちょっと感動しました。
『ONE PIECE』は1巻より102巻の方が断然、kindle端末で読みやすいです。
また、青年誌の漫画家はとても読みやすく、かわぐちかいじの漫画は情報が豊富でも苦痛にならないのが手腕を感じさせましたね。
少年漫画・青年漫画は漫画のコマ割りが論理的、漫画文法が分かりやすいのでデジタル向きなんですよね。
例外は松本零士。
彼の作品『ワダチ』などはコマが小さく、情報が多いのでやや読みにくかったです。
kindle漫画の読みにくさは大画面でほぼ解決??
さて、最初に挙げた読みにくい漫画作品の原因6つ。
対処法はあるのでしょうか?
これは、たったひとつ。
大画面の端末を、横にして読む。
これですね。
特に⑥の見開きページの多用は10インチ端末を横に使うことでほぼ解消されます。
個人的に、一番やっかいなのは①のくせ字と⑤の背景やスクリーントーンに文字が埋没だと思っています。
連載当時と同じくらいの大きさで読むと問題は解決されますね。
いちいち拡大して読むよりも、ずっと楽。
ストレスフリーで漫画の世界に入り込めます。
おすすめの端末はこちらの記事に書いています。
特にE-ink端末ではなく、Fireタブレットやipadなどのタブレットを使うと画像の解析度が高いのでぐんと読みやすくなります。
大画面のEink端末ではだめなのか?
私はおすすめしません。
漫画を読むとき、作品の世界に入って没頭しているじゃないですか。
ページをめくる時間ももどかしいような。
Eink端末は「ページを繰っているつもりでも繰れていない」ことが多くてストレスなんですよ。
やはり反応が速いタブレット端末がいいですね。
本をとっておけるスペースのない人間にとって、電子書籍はとても便利です。
一度購入した本を手放さなくていいですし、掃除する手間がかかりません。
端末にはこだわって、読書を楽しみましょう!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
では、大きな画面で好きなコミックを楽しんでくださいね。