山岸凉子のおすすめ短編集5選【恐怖漫画の名手】

山岸凉子の本 漫画

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1969年のデビュー以来、50年以上作品を発表し続けている山岸凉子。

 漫画好きのみならず、同業者や小説家にも支持されている大ベテランの漫画家です。

代表作は聖徳太子を題材にした『日出処の天子』、バレエ漫画『アラベスク』『舞姫テレプシコーラ』など。

繊細な描線、独特な絵柄、奇抜な発想。

ギリシア・北欧・日本の神話や歴史、実在の事件を取り扱う守備範囲の広さ。

豊富な知識と人間洞察の深さが魅力です。

ホラーからコメディまで作品のはばがひろい漫画家。

膨大な作品群、選集の多さから、

「何を読んだらいいのかわからない!」

手に取るのをためらう方が多いかもしれません。

それはすごくもったいない!

今回は山岸凉子の代表作の電子書籍化を記念しておすすめ漫画をご紹介したいと思います。

この記事を読むとこんなことが分かります。

  • 山岸凉子のおすすめ作品
  • 山岸凉子作品のみどころ
  • 山岸凉子 有名作品のタイトルとあらすじ

*『日出処の天子』についてはこちらに書いているので割愛いたします。

おすすめ!必ず読みたい名作少女漫画10選!

現代日本を舞台にしたバレエ漫画『舞姫テレプシコーラ』

2000年〜2011年 本の雑誌『ダ・ヴィンチ』にて連載。

2007年に第11回手塚治虫文化賞マンガ大賞を獲得した作品。

主人公 篠原六花(ゆき)は想像力豊かな小学5年生。

バレエ教師の母を持つおっとりとした女の子です。

成績優秀、容姿端麗、努力家でクラシックバレエでも才能を発揮する姉 千花(ちか)の影でマイペースに生きてきました。

関節がやわらかくクラシックバレエ向きの身体条件を備えた姉と違い、六花は右股関節のソケットが深いことが判明。

先天的に、つま先が外側を向くターンアウトが出来ない―。

がんばっても、無駄なんじゃあ?

六花は自暴自棄になり、レッスンを休むようになります。

が、転校生 空美(くみ)とかかわったことで六花の運命が変わっていきます―。

身体的に不利な条件、貧困、いじめ、摂食障害、進路の悩み。

現代的なテーマを交えながら、バレエの道を進む少女たちの成長をリアルに描いた作品です。

もず
もず

華やかなだけではない、厳しい現実が描きこまれた異色のバレエ漫画です。

少女たちの羨望や嫉妬などの裏側だけでなく、教える側の事情もきっちりと描かれています。

リアルですね。

金銭的に余裕がある家庭の子には発表会で役を与えてチケット大量販売をはかるとか。

コンテストで教え子が失敗すると直前の指導者のせいにするとか。

昔、作家の米原万里さんがバレエの裏事情を描いていましたが、それを思い出しました。

光が大きければ闇も深くなる―。

そんなドロドロがあってこそ、前を向いて進んでいく六花の存在がいとおしく思えます。

圧巻は主人公たちのコンテストや発表会の臨場感!

読んでいるこちらもドキドキしてきます。

読み進めるのがつらい部分がありますが、六花の成長がまぶしい漫画です。

平成版『アラベスク』ですね。

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『妖精王』で異世界に遊ぶ!非日常への旅

1977年から1978年まで雑誌『花とゆめ』で連載されていた作品。

舞台は山岸凉子の故郷 北海道。

病気の療養のため北海道 十勝にやってきた少年 忍海爵(おしぬみ じゃっく)。

曾祖母がイギリス人という家系です。

お世話になる伯父の家は本格的な洋館。

近くには牧場があり、新鮮なミルクやバターがとれる素敵な場所。

ですが、爵は気が晴れません。

やっと入学した名門高校を結核で休学。

級友たちは勉強しているのに、こんなことではT大学に進学できない―。

焦りからいとこたちに八つ当たりする爵。

が、夢の中でクーフーリンという英雄に救われたことから爵の運命が大きく動くことに。

爵はクーフーリンから自分が妖精王グィンの生まれ変わりだと告げられます。

そして夢から覚めると遠縁にあたる風野燐(ふうのりん)という男性が現れます。

彼は夢で見たクーフーリンとそっくり!

妖精の国ニンフィディアを守るため、ダークエルフとその中心となる人物クイーン・マブと敵対することに―。

ライト・エルフとダークエルフの争い。

失われた「水の指輪」は手に入るのか?

爵とクーフーリン、プックやヒッポクリフなどの妖精たちを待ち受ける試練とは?

北海道の大自然と伝承、日本の怪異譚、旧約聖書、ケルト神話、イギリスの幻想小説が融合。

壮大な世界観。

骨太なファンタジーです。

山岸凉子版『指輪物語』といえます。

ちょろ
ちょろ

クーフーリンはケルト神話の英雄から来ているし、設定はジョージ・マクドナルドの『リリス』に似ていますね。

もず
もず

アイルランドと日本の文化は親和性が高いよね。

様々な知識を自分のものとし、独自の世界を作り上げるのは山岸凉子の得意とするところ。

いろいろなものから着想を得ても、愛と嫉妬という山岸凉子の世界になっているところがすごい。

悪役にも深みがあって善悪二元論にならないところが、大人のファンを獲得できた理由のひとつ。

日常を忘れたいときにいい作品です。

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トラウマ漫画の代表格!『汐の声』

 女性が数人集まって「子供の頃に読んだ怖い漫画」について話すとき、必ず名前があがるのがこちら。

『汐の声』

いや、本当に怖い。

美内すずえの「白い影法師」がトラウマ漫画として有名ですが、こちらも負けてはいません。

山岸凉子は「毒親」なんて言葉が生まれる前から「子供をだめにする親」「搾取される子供」を描き続けてきた漫画家。

この主題でさまざまな名作がありますが、救いようのなさと恐怖でいくと「汐の声」が一番です。

 霊能力がないのに「霊感少女」としてテレビに出ている佐和。

美少女なので知名度はありますが、テレビ局の中では佐和の資質を疑問視する人も。

佐和自身は両親のため、いやいやながら仕事を受けていました。

あるとき、テレビの企画で幽霊屋敷に寝泊まりすることになります。

佐和のほかに有名霊能力者が2人。

彼らからも「インチキ」呼ばわりされる佐和は身の置き所がありません。

孤独感のなか、屋敷の中で佐和は怪異を目にするのですが、テレビマンたちから「演技」「演出」と本気にしてもらえず―。

最悪の「結末」へと突き進んでしまいます。

ちょろ
ちょろ

霊感ってこの漫画のように「共鳴」が大きいんじゃないかな?

もず<br><br>
もず

これは幽霊が出なくてもおそろしい、哀しい話だよね。

私は山岸凉子の「毒親」ものは「汐の声」と「コスモス」(文春文庫ビジュアル版『タイムスリップ』収録)が双璧だと思っています。

特に後者は自覚がないからたちが悪い。

山岸凉子の毒親ものというと「天人唐草」が有名ですが、やや説明的な作品ですよね。

私は「汐の声」と「コスモス」の方に軍配を上げます。

無駄がなく、細かい伏線が張り巡らされていて納得できるんですよ。

コマの細部まで計算されています。

メアリー・ベル事件を描いた「悪夢」(文春文庫『タイムスリップ』収録、山岸凉子スペシャルセレクション『天人唐草』収録)も実は「毒親」ものなんですよね。

メアリー・ベル事件を題材にした映画や小説、漫画は多いですが、完成度の高さはピカイチ。

『汐の声』は現在、潮出版から出ているスペシャルセレクションで読めます。

表題作以外にも不気味な話が収録されています。

史実に想を得たものから、SFテイストのものまで。

このあやしさが山岸凉子。

『月読』日本神話を元にした作品に傑作多し!

1990年代に文春文庫ビジュアル版に山岸凉子自選集があったんです。

非常に完成度の高い作品が収められた短編集でした。

それが現在、一部 加筆・編集されて新装版が出ています。

その中の一冊がこちら。

『月読』です。

山岸凉子は日本神話に想を得たものに名作が多いのですが、この短編集はそうした名短編をぎゅっと集めてきたもの。

どの短編も読みごたえ十分です。

収録作品は

「天沼矛」

「月読」

「木花佐久夜毘売」

「蛭子」

「蛇比礼」

「ウンディーネ」

最後の「ウンディーネ」だけはヨーロッパの民間伝承。

フーケ―が『水妖記』を書いていますね。

「蛭子」「蛇比礼」は一度読むと忘れられない強烈な作品。

ちょっとここには書きにくいのですが、漫画家の荒木飛呂彦先生があるハリウッド映画のことを「子供は最強だな」と書いていたのを思い出しました。

子供に「悪意」や「なんらかの意図」を持って近づいてこられると大人はなすすべがないという。

ちょろ
ちょろ

荒木飛呂彦の『荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論』は名著です。

ですよね〜、「あの子がおかしい!」「あの子は危険な存在!」なんて口にしたら

周囲から袋叩きにされますよね。

ローティーンの子供は「聖域」視されているというか。

この作品1980年代に描かれているんですよ。

山岸凉子の先見性ってすごいな。

ストーリーは当然、すばらしいのですが特筆すべきは登場人物の髪の毛!

山岸凉子はどの国、どの時代の人物を描いていても髪の結い方がリアル!

萩尾望都もそうなのですが、髪の長い漫画家さんは髪の毛の描き方をおろそかにしないのだとか。

ちょろ
ちょろ

着物の着付けもどこがどうなっているのかわかります。

もず
もず

背景は大胆にカット、登場人物は細かいところまで手を抜かない。

山岸凉子をまだ読んだことがない方にはイチオシですね。

文庫本で手軽に買えますし、完成度が高い!

本棚に置いていても場所を取らないし、表紙がきれい。

月読 自選作品集 文春文庫 / 山岸凉子 ヤマギシリョウコ 【文庫】

『天人唐草』は「ハーピー」「籠の中の鳥」がおすすめ

こちらも文春文庫 山岸凉子自選集のひとつ。

「ぎえー」で有名な「天人唐草」。

もず
もず

『天人唐草』もトラウマ漫画に名前が挙がる作品です。

明るく、快活だった少女が毒親(男尊女卑の父親)によって歪んでしまうさまがリアル。

大変ショッキングな作品ですが、上に書いた通り私はあまり好きではありません。

この短編集の白眉は「ハーピー」「籠の中の鳥」だと思っています。

「ハーピー」は男子高校生 佐和が転入生 川堀苑子に感じた違和感から話が始まります。

美人で成績優秀、スポーツも出来る優等生の川堀苑子。

男女を問わず人気のある彼女に、佐和は「異臭」を感じて…。

日常がぐらっとゆらぐ感覚が秀逸!

「籠の中の鳥」は山岸凉子作品によく登場する「異能力者」のお話。

『ハトシェプスト』や「イシス」、「時じくの香の木の実」にも出てきますね。

昭和の日本を舞台にしているところや意外な結末が〇。

解説が中島らもですから豪華!

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このほかに好きな短編をあげると

「海の魚鱗宮」「パイド・パイパー」好きですね。

人間の弱さ、嫉妬、後悔。

ある時期の少女が持つ残酷さや身勝手さがさらっと描かれていて。

もず
もず

外見がかわいい子供が持つ無意識の優越感。比較される子供の心。人間心理の観察が鋭い。

ラストに光が見えるところがいいんです。

山岸凉子 有名作品のタイトルとあらすじ

 山岸凉子の作品は、読後何年たっても思い出すものがあります。

折に触れて、あれはこういう意味だったのかも…なんて考えることも。

けれど、内容は覚えていてもタイトルが思い出せない方が多いのではないでしょうか。

なので有名な作品のタイトル・読み方・内容を載せておきます。

上で紹介したものはあらすじを割愛(かつあい)しています。

『天人唐草』(てんにんからくさ)金髪の女性が奇声を発する冒頭が衝撃的。子供を駄目にする父親の話。

『ハーピー』 男子高校生が転校生をハーピーだと思ってストーキング。その結末は?

『狐女』(きつねおんな)狡猾な少年が田舎の旧家に引き取られる。そこには村で特異な立ち位置を持つ女性がいて…

『籠の中の鳥』(かごのなかのとり)寒村で「トリ」と呼ばれる一族の少年の数奇な半生。一族の中でただひとり、能力を持たなかった少年。ある日、村から救い出されるが…

『夏の寓話』(なつのぐうわ)両親のいいつけで真夏のH市を訪れた青年が少女と出会い…。戦争の悲惨さを描く。

『天沼矛』(あめのぬぼこ)桜にまつわる3つのお話。神話・結婚直前の女性、入院した少年たちなど。人魂が出てくる。

『月読』(つくよみ)天照大神を慕う弟 月読の苦悩をリアルに描く。

『木花佐久夜毘売』(このはなさくやひめ)優秀な姉と比較されて育った妹 典子の苦悩と反発。ある青年と出会い、解放される。

『蛭子』(ひるこ)上京した女子大生が遠縁の美少年と親しくなる。が、しばらくすると女子大生の部屋からお金がなくなっている??生活に異変が…

『蛇比礼』(へみのひれ)ブティック経営者の女性が姪っ子 虹子を引き取る。黒い着物を着た少女はどこか妖しげ。妖艶な小学生にふりまわされる年長者たち…

『ウンディーネ』写真家の青年が黒髪の美少女と出会う。彼女の正体は?

『ハトシェプストⅠ』古代エジプト。不思議な能力を持つ姉妹メノウとセシェンの話。

『ハトシェプストⅡ』古代エジプト唯一の女性ファラオの幼少期。Ⅰの前日譚。

『イシス』金髪・赤い瞳を持つイシスの不思議な能力。

『神かくし』山岸凉子には珍しい江戸時代のお話。神隠しにあったと思っていた弟と兄の再会

『神かくし パート2』神隠しにはUFOが絡んでいる??

『コスモス』喘息の少年 裕太には綺麗で優しく、料理上手な母がいるが…。自覚のない毒親が一番たちが悪いと思わせられる作品。

『悪夢』実在した少女連続殺人犯メリー・ベルの話。史実に忠実なうえに悪夢の描写が秀逸。

『蜃気楼』(しんきろう)妻と愛人との間でうまく立ち回っていたつもりの男の話。

『八百比丘尼』(はっぴゃくびくに)たいくつな女子高生が同級生の美少女と親しくなる。ある日、別荘に招かれるが、そこには同級生そっくりの母親とおばがいて…。

『黒鳥』(ブラックスワン)たぐいまれな白鳥を踊るバレリーナ マリアと振付師ミスターBの話。実在したモデルあり。よく当たる占い師は不幸なことしか言わないという言葉が印象的。

もず
もず

バレリーナをとっかえひっかえ妻にするミスターB。ニコライ・モロゾフみたい…

『貴船の道』(きぶねのみち)不倫の末、後妻に入った女性の苦悩。貴船は神社の名前。

『緘黙の底』(しじまのそこ)保健室の先生が素行の悪い少女と出会う。実父による虐待もの

『鬼子母神』(きしもじん)父は表札、母は菩薩、兄は天使、自分は悪魔という家族の話。一見、ユーモラスな軽いタッチで描かれているが、家庭像としてはリアル。

『天鳥船』(あめのとりふね)自殺未遂をした少年が不思議な屋敷で恐怖の体験。

『タイムスリップ』山岸凉子が経験した不思議な話。時間物を集めてある。

『負の暗示』(ふのあんじ)「津山事件」犯人の生い立ちと事件までの流れ。参考資料は松本清張。

『二口女』(ふたくちおんな)未婚のイラストレーターがお見合いで高望みをしていると…。昔話の解釈がユニーク。

『奈落 タルタロス』髪と目の色以外はそっくりな姉妹。人気女優である姉の真似をし続ける妹の破滅が哀しい。

『愛天使 セラピム』進学を理由に別れた父の家庭に乗り込んだ水穂は、少年と出会って…

『二日月』(ふつかづき)明るい女子高生が、陰鬱なクラスメイトに悩まされる話

ちょろ
ちょろ

陰キャで外見がパッとしない女子高生が、超能力をみせつけて人気者男子に取り入ろうとするんですが…

『ティンカー・ベル』容姿コンプレックスのある少女にだけ見える秘密の友人

『シュリンクス・パーン』青年作家が田舎の屋敷とパーン一匹を相続する話。明るい読後感。

『パニュキス』仲のよい兄妹 ハリーとネリー。ネリーが自立するまでを描く

『パイド・パイパー』夫の転勤で因縁の土地に戻った主婦。23年ぶりに起こる幼女誘拐事件

もず
もず

山岸凉子は子供時代の後悔を描くのがとてもうまいと思います。

『グールー(屍鬼)』無人島に流れ着いた男女。食料を取るために奮闘するが…

『鏡よ鏡』美人女優 羽深緋鶴(うぶかひづる)の娘 雪は太った女の子。母親の呪縛を逃れる少女の話

ちょろ
ちょろ

このお母さんの芸名、宝塚出身っていう設定かな?って思いました。

『時じくの香の木の実』日向・日陰は腹違いの姉妹。どちらが巫女になるかで橘の実を食べますが…

『キルケ―』ギリシア神話に想を得た短編。魔女キルケ―を日本的にアレンジしてある。偏食なヒロインが難を逃れる点がおもしろい。

『鬼来迎』(きらいごう)都会につかれた女性が雇われた家は琴の師匠。優しく美しい母の素顔は…

『海底より』目の病気を患ったアイドル歌手 翼マミ。遠い親戚に引き取られ壇ノ浦で静養していると平家の亡霊が…

『笛吹き童子』二話構成。遺産をめぐる泥沼と笛の精のお話。どちらも笛が絡む。

『夜叉御前』(やしゃごぜん)働き者の少女が引っ越してきた家には鬼が住んでいた…。現実に起きた凄惨な事件をほうふつとさせる問題作。

もず
もず

あるユーチューバーさんがヒロインを●的障碍者と言っていたけど違うと思う。

ちょろ
ちょろ

悲惨な現実から逃げるために心がマヒして現実感を失ったのでは?

『白眼子』北海道を舞台にした物語。不思議な力を持つ盲目の男性と少女の交流。

『押し入れ』アシスタントさんが経験した怪異譚。引っ越したアパートが実は…という話。地味に怖い。

『わたしの人形は良い人形』少女と弔われるはずだった人形が取り残されて…。日本人形が炊飯器をあらす部分がなんとも言えない怖さ。

『ヤマトタケル』日本神話を大胆に解釈。山岸凉子が描いた中で最もマッチョな男性がヤマトタケル。

『青青の時代』(あおのじだい)山岸版 『魏志倭人伝』やさしい少女 壱与(いよ)とシビの物語

『パエトーン』ギリシア神話をモチーフにした反原発漫画。

『メディア』ギリシア神話の、自分の子供を殺した女性を題材にした毒親もの。優秀でさわやかな女子大生が大人子供な母親に束縛され…

『ブルー・ロージス』テネシー・ウィリアムズの作品に想を得た作品。イラストレーター黎子(たみこ)は29歳独身。ある日、編集者の男性と恋に落ちるが…

もず
もず

黎子が恋をしてどんどん自信を持って行く様子がリアル。

ひとひねりある作品。

『化野の』(あだしのの)自宅への帰り道が分からなくなった女性。出会う人はみな「死」にまつわるエピソードを話して去っていくが…。

ちょろ
ちょろ

化野は京都 小倉山の麓。火葬場があったことで知られます。『徒然草』にも出てきます。

『星の素白き花束の』イラストレーターの聡子は異母妹 夏夜を引き取ることに。クォーターの夏夜は美少女。聡子は喜んで面倒を見るが…。

『銀壺・金鎖』不倫の果てに結ばれた画家とモデル。幸福な家庭を築き一人娘をもうけるがそれぞれ、捨てられた家庭には子供がいた。その3人が葬儀で出会うことに…

山岸凉子は本当にたくさんの作品を描いていますね。

ここに挙げたのはほんの一部。

現在、電子書籍で再版されていますので、気になったものはぜひ、読んでみてください。

きっと驚くような読書経験ができますよ。

お付き合いいただき、ありがとうございました。

少しでも参考にしていただけるとうれしいです。

よろしかったらこちらもどうぞ。

萩尾望都の本の感想。

山岸凉子も登場します。ファン必読の書。

萩尾望都 『ここだけの大泉の話』扉は二度と開かない

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